020120 古いパソコンでADSL



 NTT西日本のフレッツADSLの、モデムSタイプと「フレッツ接続ツール」が、私のデスクトップコンピュータ3台で動かなかった。

  Pentium166MHz + メモリー76MB + Windows98
  MMX200 + メモリー128MB + Windows98
  K6-2-300 + メモリー256MB + Windows98

 3台とも見事に古いですが、症状としては、安定に接続するものの、データ転送が異常に遅い。1フレーム送るのに20秒ほどもかかる。かと思うと、高速に調子よく転送できたり、また10分ほどで止まってしまったりする。原因をNTTのホームページを探すと、

 ・ NIC(LANカード)との相性がある
 ・ コンピュータとの相性がある

ということが書いてあるが、どうもコンピュータとの相性らしい。ちなみにフレッツ接続ツールの動作条件はPentium2以上となっている。

 解決方法の1つは、Windows XPをインストールすることだ。Windows XPにはADSLモデムに必要なPPPoeプロトコルが含まれているので、NTTのフレッツ接続ツールを使う必要がない。実際にMMX200にWindows XPをインストールしてみたところ、ADSLで接続することができた。ただしMMX200 + 128MBには、XPは重すぎる。全体的には486DX4 + Windows95時代を思い出させるようなレスポンスになる。

 第2の解決方法は、NTTのフレッツ接続ツール以外のPPPoeを使うことだ。RASPPPOEというフリーソフトを使用したところ、Pentium166機でもWindows98でADSL接続に成功したので、この方法を説明する。

 NTTのフレッツ接続ツールは、Windowsのダイヤルアップネットワークに似た形態でPPPoeプロトコルを提供する。つまりダイヤルアップネットワークが2種類できてしまう。一方、RASPPPOEは、既存のWindowsのダイヤルアップネットワークにPPPoeプロトコルを追加する機能として提供される。

 RASPPPOEは、ここで配布されている。説明を読みながら作業を進める。まず、

> 32-bit release for x86 machines
>
> Download the PPP over Ethernet Protocol,
>    Version 0.96: RASPPPOE_096.ZIP (94,310 bytes)


をクリックしてデスクトップなどにダウンロードする。

 ダウンロードしたアーカイブファイルを解凍して、Windows 98/09SE/MEを使っているならREADME98.HTMを、Windows2000/XP/2002を使っているならREADME2K.HTMを読む。私はWindows98についてのみ説明する。

 「アーカイブを解凍」が出来ない場合はLHA & Zip extractor Lhasa ver0.17 for Win32 (miscに小さく扱われているのでよく探すこと)をインストールした後、デスクトップ上に出来るLhasaアイコンにダウンロードしたアーカイブファイル(RASPPPOE_096.ZIP)をドロップすると、アーカイブファイルと同じ場所に新しいフォルダーが作られ、その中にアーカイブファイルが解凍される。

 Windows98SE を使っている場合は、RASPPPOEを使用中にコンピュータがフリーズすることを防止するために、マイクロソフトのサイトでWindowsを最新版にする必要がある。Windows98やWindowsMEではこの必要はない。

 これからRASPPPOEをインストールするが、注意点として、

・インストールする前に、すべてのプログラムを閉じる
・WindowsのCDを要求されるので準備すること。
・他のPPPoeプロトコルがインストールされている場合は削除する。
・RASPPPOEの古いバージョンがインストールされている場合も削除する。
・RASPPPOEを使うにはダイヤルアップネットワークが必要である。

などが挙げられている。

 デスクトップの「ネットワークコンピュータ」を右クリックしてプロパティを開く。

 「ネットワークの設定」タブの「追加」ボタンを押す。

 「インストールするネットワークコンポーネント」から「プロトコル」を選び、「追加」ボタンを押す。

 「ディスク使用」ボタンを押し「参照」ボタンを使ってRASPPPOEが解凍されたフォルダを指定する。

 「OK」ボタンを押すと、「モデル」欄に「PPP over Ethernet Protocol」と表示される。「OK」ボタンを押す。

 「PPP over Ethernet Protocol」ディスクを要求された場合は、RASPPPOEが解凍されたフォルダを指定する。WIndowsのCDを要求された場合はWindowsのCDを指定する。

 最後に再起動すると、RASPPPOEのインストールは完了する。

 次にADSLのダイヤルアップを作る。

 マイコンピュータ→ダイヤルアップネットワークを開く。

 「新しい接続」で接続名は「ADSL」などと適当に名前を付ける。「モデムの選択」で使用しているネットワークアダプタ(LANカード)を指定して「次へ」ボタン。

 市外局番、電話番号、国番号は無意味なので適当な数字を入れる。

 作成した接続を起動して、ユーザー名とパスワードを入れる。電話番号は意味がない。

 以上でADSLの接続が完成した。こうなると気になるのは速度ですが、ブロードバンドスピードテストで測定すると1.5Mb/sの半分ほどしか出ていなかった。そこで、みーのホームページでNetTuneをもらってきて「推奨設定」ボタンを押してリセットすると、2倍近い高速となり、

測定サイト http://speed.on.arena.ne.jp/ v2.0.8 測定時刻 2002/01/20 20:54:59
回線種類/線路長 ADSL/0.5km
キャリア/ISP NTTフレッツADSL 1.5Mbps/biglobe
ホスト1 WebArena(NTTPC) 1.18Mbps(333kB,2.6秒)
ホスト2 at-link(C&W IDC) 1.13Mbps(758kB,5.8秒)
推定最大スループット 1.18Mbps(147kB/s)
コメント NTTフレッツADSL 1.5Mbpsとしては速いほうです。(2/5)


と、満足のゆく結果となった。

 2002年1月21日追記 ここまでの設定では、マネックス証券のマネックススピード、富士銀行のサイバーバンクなど一部のサイトにアクセスできないという症状が見つかった。この不具合は、MTUに正しい値を設定することで改善される。デスクトップのネットワークコンピュータを右クリックしてプロパティを開き、「ネットワークの設定」タブの「現在のネットワークコンポーネント」の中から「PPP over Ethernet Protocol -> (使っているLANカード)」というプロトコルのプロパティを開く。「General」タブの「Override Maximum Trasdfer Unit」にチェックを入れて、値を1454とする。以上で改善した。



2002年1月20日作成 home pageへ