000213 読書 2


 先日のチャットで、小学生にお勧めの本は?という話題が出た。

 私は、小学生には文学は不要で、何か読ませるなら、ただ読んでそのとき楽しいものを読ませるのがいいと思っています。理由について書くと長くなりますが、一言で言えば、現に楽園に住んでいる人たちに知恵の実を奨めるのは、蛇の仕事と見なしているわけです。ここで文学の定義が問題になるわけですが、気取った言い回しを許してもらうならば、人生全般の問題について解決や慰めを(主として後者と思うが)与えるものがそうだ、と私は言いたい。

 というわけで、先日の「Q&A1」で書いた宮澤賢治をタダで読めるホームページの中から、私が小学生に奨めるものと、大人に奨めるものを挙げてみます。ここに出てこないものは、私が読んでいないか、読んだけど忘れたか、あるいは特に奨めないものです。これは単に分類したのではなくて、本当にみなさんにこの本を勧めるのが適当だろうと思って書くので、ただ単に最近読んだと言うだけの理由で安易に人に本を薦める人が居ますが、本当に困ってしまいますね。

【 小学生に奨めるもの 】
 雪渡り、月夜のでんしんばしら、茨海小学校、やまなし

【 大人に奨めるもの 】
 銀河鉄道の夜、ポラーノの広場

 大人は何冊も読む時間はないでしょうから、苦労して減らしました。この二点が残ったことについては、満足しています。小学生向けの方は、どれも幻想的な美しい風景の話で、もちろん大人にも楽しめるものです。(安部公房は中学高校の頃いたく感銘を受けたのに大人になってから読み返すとぜんぜんピンと来ませんね。)詩の中では、下肥を担いで「いったい何が悪くて何が汚いのでしょう」というのがいいのですが、手元にないのでタイトルが分かりません。

2000年2月13日作成 home pageへ