020121 チョボラ


 昔から公共広告機構がこの手の宣伝をやってるが、最近は「チョボラ」というのを奨励している。ちょっとしたボランティアという意味らしいんだが、僕はこの手の価値観というのが、いやでいやでたまんないんだな。以前はジコチューというのを宣伝していたようだが、これも同じ。この手のちっちゃなちっちゃな善を奨励する奴が、インターネットの掲示板なんかにもウジャウジャいるんだ。「・・・するのがマナーですよ」とかね。「・・・したほうが、他の人に便利でしょう?」などと言い出すんだ。そんな細かい説教をおっぱじめるような奴は、もともと人を喜ばすようなことをしでかす気配はないんだが。僕は、善というのはこの世に包括的な善が一個有るだけだと思っている。小さな善とか、部分的な善というものは存在しないし、そんなものは偽物で、おおかた腹黒い連中の芝居に決まっている。

 僕がまた極端なことを言っていると思うだろうけど、実際、自分の周りでジコチューとかチョボラとか口にする連中のイヤらしさと言ったら、ちょっと身の毛もよだつ。でも、僕が言ってるのは、そういうものが有害だと言ってるんじゃないんだな。そういう価値観がくだらないと言ってるんだ。

 毎週車を磨いてるような男は、くだらない奴だという人物評が世間にあって、僕も聞いたことがある。しかし、僕のみるところ、車というのは、値段も性能も、なかなか立派なものだし、楽しいものでもあるんだから、誰かが車を毎週磨いたって、その気持ちもわからんでもないんだ。ところが、「ジコチュー」がイケナイことだとか、「チョボラ」が良いことだなどと平気で口にもし、こんなちっちゃなちっちゃな善を有難がって拝んでる奴のくだらなさといったら、気味が悪い。頼むから近寄らんでくれ。

2002年1月21日作成 home pageへ