991209 かぐや姫


 昔から不思議だった。かぐや姫は、月の世界の人だという。我々がいるこの世界から月の世界に帰るという。平安時代の日本人は、月のことをどのように考えていたのでしょうか? この世界と言い、月の世界と言う。二つの世界を並立させる発想は、月を、暗幕にあいた丸い穴だと考えていた原始人たちに可能だったのでしょうか? 月の世界に人が住めると考えるためには、地球と月が互いに似たものだという知識が必要なように思えます。

 角川文庫の竹取物語によると、かぐや姫は「(前略)わたくしのこの身は、人間世界の者ではございません。月の都の人です。(中略)あの本国から迎えに人々がやって参りますでしょう。(後略)」と告白することになっている。他に「天人」という言葉も出てくる。実際に迎えに来る場面では「大空から人が雲に乗って下りて来て、地面から五尺ほどあがった高さに立ちならんだ。」となっている。「屋根の上に飛行する車を近寄せて」という場面もある。「せめて昇天して行くのをだけでも見送って下さいませ」と言うせりふもある。

 信長は地球が丸いことを知っていた。西洋文明が地球が丸いことを実証したのは、コロンブスとアメリカンインディアンが相互に発見しあった1492年頃でしょうから、いずれにせよ室町以降です。一方、竹取物語は源氏物語より古いことが解っている。つじつまが合いません。

1999年12月9日作成 home pageへ