991211 CM


 夜のニュースで、今年のCM大賞みたいなのをやっていた。当然ながら私の好みとは全然あわない。たぶんみなさんの好みともあわないでしょう。以下は私の評価。

 ベルリンの壁崩壊の現場でカップヌードルを食うCM。日清も落ちぶれたなぁ。昔はシュワルツネッガーにヤカンを持たせて踊らせるほどの企業だったのですが、既成の有名画像に自社製品を合成せにゃならんとは。パソコンスクールの卒業制作に思えてしまう。みじめ。

 家庭教師トライのCM。ホテトルのCMかと思ったら実は家庭教師だった、っていうところがいいのかな? それで家庭教師本人が平気なら別にかまわないですが。家庭教師はアルバイトだから、名誉に配慮する必要はないってことなのかな? 下品。

 最近のJAROのCM。善悪と好悪をごちゃまぜにしてる。何かを不快に感じたとき、それが善悪によるものか、好悪によるものか、あるいは単なる相違によるものなのか、全然考えないのかね。無くなってほしいものは一括して攻撃するのか。

 ファンカーゴとかいう車の早口のCM。私はなにが嫌いって「がみがみ」「がつがつ」ってものぐらい嫌なものはないのですが、今放映されているCMの中ではこれがガミガミチャンピオン。これが流れるとチャンネルを変えるのですが、ビデオ録画中はチャンネルを変えることが出来ないので苦しい。嫌い。

 裁判形式のビールのCM。善か悪か、好きか嫌いか、白か黒か、キリンかサッポロか、と気ぜわしく決着を迫る裁判的善悪観を受け付けないのに加えて、女優のガミガミ屋ぶりには降参します。チャンネルチェンジ。

 永六助がガラガラ声でしゃべるノド薬のCM。ほかのCMでは、ふつうの声でしゃべっているようだ。「ほら、ガラガラ声はこんなに気持ち悪いでしょう?」とでも言うつもりかね? どれだけ偉かったら、人を試せると思ってるんだ。高慢。

 子供が服を汚したとき母親が「だいじょうぶ」と言う洗剤のCM。これの初代「だいじょうぶ」が大賞です。現行の二代目「だいじょうぶ」はだめ。日本に「だいじょうぶ」という言葉ができて以来、もっとも大丈夫な感じに発音された「だいじょうぶ」だと思う。ほんとは大丈夫ではないが忍耐と能力によってはじめて大丈夫なのだと思わせられる見事な「だいじょうぶ」だ。私は人間の性能の中では、寛容というものがもっとも好きだ。

 「スーイスイ。横、横。縦縦。奥、奥」と歌うモップのCM。私の脳幹に感応して、これが聞こえると画面に見入って、歌に聴き入ってしまう。催眠術の勝利。抵抗できない。佳作。

1999年12月11日作成 home pageへ